パフェットの銘柄選択基準を大公開

この本を読みましてルールをそのまま引用しました。

 

本概要

世界的投資家のウォーレン・バフェットが巨万の富を手にできたのは、好不況の波を乗り越えて生き抜く長期的競争力のある企業を見つけて、その株を長期保有したからでした。

では、どうやって長期的競争力のある企業を見抜けばいいのか? バフェットが手がかりにしたのは財務諸表だった。

 

わかること

パフェットがどのようにして銘柄を選択しているのか、どのように財務諸表を読めば投資で高いリターンが出せるのか

 

 


永続性は金持ちへのチケットである
 「あらゆる富を生み出す永続的競争優位性のうち、重要なのは“永続的”の部分である」とウォーレンは言う。
 だから、会社の財務諸表を見るとき、ウォーレンは「一貫性」を読み取ろうとする。一貫して高い粗利益率を保持しているか? 一貫して負債をゼロに、もしくは低水準に保っているか? 一貫して研究開発投資の必要性を低く保っているか? 一貫して収益をあげつづけているか? 一貫して収益の成長を保っているか?
 「財務諸表に示されているこの『一貫性』こそが、その企業の競争優位性が“永続的”であるかどうかを教えてくれるのだ」とウォーレンは言う。

財務諸表には宝の隠し場所が書かれている

利益そのものの数字より「利益の源がどこにあるか」のほうが重要

会計はすべて売上高から始まる。しかし、この数字だけでビジネスを評価するべきではない

永続的競争優位性を持つ企業は、高い粗利益率を示す傾向がある

販売および一般管理費は、“一貫して”低いことが望ましい
注目してほしい、ここでのキーワードは“一貫性”だ。
逆に、永続的競争優位性を持たない企業は、きびしい競争に苦しんでいるため、粗利益率にたいするSGA費の比率が激しく上下動する。

多額の研究開発費を要する会社は、競争優位性に先天的欠陥を内包している
永続的競争優位性を持つ企業を発見しようとするとき、“研究開発費”という項目をチェックする必要がある。なぜなら永続的競争優位性のように見えるものが、実は、特許や先進技術を源とする一時的優位性であることも多いからだ。たとえば製薬会社のように、特許によって競争優位性がつくり出されている場合、一定期間後に特許が切れれば優位性は消滅してしまう。

多額の研究開発費を必要とする企業は、競争優位性に先天的な欠陥を内包しており、これは長期的経済性が危険にさらされていることを意味する。つまり、その企業の競争優位性は絶対確実なものではないのだ

 

減価償却費は利益を計算するときに除外してはいけない

EBITDAはだめ

永続的優位性をもつ企業は減価償却費が粗利益率にうらべて低い(5%とか)

 

営業利益に占める支払利息の比率は、企業の危機レベルを表わす

営業利益に占める支払利息の比率が高い会社は、次のふたつのタイプのうちどちらかである可能性が高い。ひとつは、所属する業界特有の熾烈な競争にさらされ、競争力を保つために巨額の設備投資が必要な会社。もうひとつは、ビジネスとしての経済性はすぐれているものの、レバレッジ・バイアウト(LBO)によって買収された結果、多額の債務を背負わされてしまった会社だ。
永続的競争優位性を持つ企業の大多数は、支払利息をほとんど、もしくはまったく計上していない、という事実をウォーレン・バフェットは突き止めた。

 

まず第一に、純利益が右肩上がりかどうかを確かめよ

原則を言うと(もちろん例外は存在する)、売上高に占める純利益の割合が、長期的に20パーセント以上で推移してきた企業は、何らかの長期的競争優位性から恩恵を受けている可能性がきわめて高い。

 

1株あたり利益の長期的推移から、勝者と敗者を見分ける

永続的競争優位性を持つ企業を探し出したいとき、単年の1株あたり利益の数字は判断材料にならないが、10年間の1株あたり利益の推移を見れば、その企業が長期的競争優位性を持っているかどうかがはっきりとわかる。ウォーレンが求めるのは、1株あたり利益が10年のスパンで一貫性と上昇トレンドを示している企業だ。



大不況という困難な時代がやってきたとき、現金は最大の武器となる

バランスシート上で現金がたくさんあったらGood!

 

総売上高に占める売掛金の割合が、一貫して他社より低い企業は、ある種の競争優位性を持つ可能性が高い

競争がきわめて激しい業界では、取引相手に有利な支払条件を示すことで、同業他社より抜きん出ようとする企業が出てくるからだ。たとえば、支払期限を30日から120日に延ばせば、この会社と取引をしようとする業者が増えるだろう。この場合、会社の売上とともに売掛金が増加していく。

 したがって、もしも総売上高に占める売掛金(純額)の割合が、一貫して同業他社よりも低い企業があったとしたら、ある種の競争優位性を持っている可能性が高い。そうした強みがあるからこそ取引条件を妥協する必要もなく、他社より有利にビジネスをしていけるのである。

 

流動比率で企業の優劣を見分けることはできない

  流動資産 ÷ 流動負債 = 流動比率

 流動比率は1より高ければ良く、1より低ければ悪い。1より低い企業は、短期負債の返済に苦労すると考えられている。

 しかし、おもしろいことに、永続的競争優位性を持つ企業の多くは、流動比率が分岐点である1を割り込んでいる。 旧来の学説からすれば、これらの優良企業は流動負債の返済に窮しているはずだ。しかし実際は、とてつもなく大きな収益力のおかげで、いとも簡単に流動負債を返済できるのである。

ただし短期借入金が長期借入金を上回る会社はNGO

 

バランスシート上の長期投資項目でどのような企業に投資しているか?を見る

企業が長期投資し、保有している株は購入時の価格で計算されるので最新の売値と大きくかけ離れており、大きく過小評価されている可能性がある

 

棚卸資産の急減がある企業は要注意

優良企業は棚卸資産がふえて同時に利益も増えていることが多い

 

総資産利益率は高くてもいいわけではない、必要な資産が大きいほうが参入障壁が大きいとも言える

 

変更の必要のない製品を一貫して生産しつづけることは、一貫して収益をあげつづける優良企業であることにひとしい

ウォーレンは次のように言う。

「変更の必要がない製品を一貫して生産し続けることは、一貫して収益をあげ続けることにひとしい」

同じ製品を一貫して生産し続ければ、競争力を保持するためだけに生産設備の更新に莫大な資金を注ぎ込む必要がなくなり、莫大な剰余金を収益性の高い事業に振り向けられる。

 

長期借入金より短期借入金が多い銀行は、投資対象から除外せよ

 

BSに反映されていない無形資産(ブランド、土地、技術)の価値を見極める

コカ・コーラのブランド力は強いが、そのブランド力の価値はバランスシート上の資産では1円も反映されていない。

 

永続的競争優位性を持つ企業は、ほとんどの場合、長期借入金が少額もしくはゼロである

パフェットの投資先は長期借入金がほとんどないことが多い、もしくは2,3年分の純利益のですべての長期借入金が完済できる。優良企業は膨大な利益をあげているため、事業拡大や企業買収を自己資金でまかなうことができる。だがら、巨額な借入れを行う必要性などまったくないのだ。

優良企業を見分けるひとつの方法は、貸借対照表から長期借入金の総額を読みとることである。ただし、1年間の情報で満足してはいけない。直近10年間の長期借入金の状況をチェックする必要があるのだ。
しかしこのような企業はLBOに対象となり、買収されると多額の借入金を追うことが多い(買収資金は豊富なキャッシュ資産、安定した収益性をもとに担保で調達されるから)

そうすると企業の収益力が成長よりも返済になるので、株より社債に投資したほうが良い

 

後編へ続く、、、