TwitterとFacebookの決算を分析してみる

TwitterFacebookの決算を比較してみます。

ãfacebook vs twitterãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

先週こちらの本を読み、非常に面白かったため、それにインスパイアされる形で
TwitterFacebookの決算を分析してみます。

 

こちらの本は「どのように決算書を分析するか」について書かれています。

取り上げられている企業がGoogleFacebookAmazonなどシリコンバレー企業ということも特徴です。

これらの企業は上場企業ですが、決算書が英語ということもあり読むのには敷居が高かったですが、この本を読むと手軽に分析できるという気がしてきました。

この本の著者は楽天で努めており、現在シリコンバレーで会社を起こしたそうです。

著者が会計の専門家でなかったため、それほど専門的で深い洞察はありません。

しかし、有益になった点は数多くありましたので是非ご一読をおすすめします。

 

この本のメッセージは至極単純です。

①決算書を分析するにはビジネスごとの方程式を知る

②方程式にある変数を時系列で比較、同業他社とも比較する。

 

これだけです。

ものすごく単純ですよね。

 

例えばFacebookTwitterは同じようなSNSを運営していますが、株式市場からの評価はまったく違います。そして売上、利益規模もまったく違います。

 

なぜこのようなことが起きるのでしょう?

売上、利益だけ比較してもそれは見えてきませんが、方程式に分解するとはっきりと見えてきます。

 

ビジネスごとの方程式とは売上の要素を細かく分析していくことです。

例えばビジネスモデルが広告の場合は

売上=ユーザー数×一人あたりの売上(ARPU

と分解できます。

同様にEC業界ですと、

売上=取扱高×テイクレート(いわゆる手数料)

となります。

 

この本で述べられている決算書分析の手法は

売上の方程式を構成する変数を分析する

ということだけです。

そしてその手法を様々な有名企業にあてはめたケーススタディが紹介されています。

 

この記事ではFacebookTwitterを取り上げて分析していきます。

Facebookは本書の中ですでに取り上げられていますが、Twitterは取り上げられていません。

どちらもビジネスモデルはSNS上にだす広告主から収益を得ています。

 

この場合、ビジネスでの方程式は

売上=ARPU(ユーザー一人あたりの売上)×ユーザー数

となります。詳しい説明は本書を読んでいただきたいですが、

ARPU、DAU(デイリーアクティブユーザー)あたりの指標を観ていきます。

 

FacebookTwitter社の決算説明会資料よりそれぞれの指標を比較したのが下表です。

f:id:saikeiko:20180504171416p:plain

いくつかポイントを抜き出してみます。

  • FacebookはDAUもMAU(マンスリーアクティブユーザー)も前年比と比べて順調に伸びている。一方、ツイッターはユーザー数という観点ではあまり伸びていない
  • ARPDAU(デイリーアクティブユーザー1人あたりの平均売上)はFacebookTwitterも前年と比べて順調に伸びている。
  • MAUはFBがTwitterの6.5倍、ARPADAUは3倍であり、Twitterはユーザー数および稼ぐ力どちらでもFBに完敗している
  • 時価総額ではFBがTwitterの22倍である。売上(Ad Revenue)でも20倍の差があることから、株式市場では売上通りの合理的な評価がされている。

 

Facebookは北米においてはユーザー数の向上、広告費の向上が頭打ちになってしまっているため、今後はアジアや他の地域での成長が期待できるとされています。実際にこれらの地域では広告費が低いため、多くのポテンシャルが残されていると言えます。

Twitterはユーザー一人あたりの広告費がFacebookの1/5という現実はかなり厳しいでしょう。Twitterがローンチされてからしばらく時間が立っていることを考えれば、ユーザー数においてこれ以上爆発的な増加は見込めません。そのため、なんとか広告費単価を上げていく必要性があります。

 

売上=ユーザー数×一人あたりの売上(広告費)

という式で分解することが重要です。

 

SNSの性質上、実名のFacebookはより広告を打ちやすいプラットフォームと言えます。その点でTwitterはなかなか厳しいのでしょうか、、

 

結論

  • Facebookは稼ぐ力もユーザー数の規模もすごい
  • Twitterはユーザー一人あたりの広告費をあげられるようにしなければいけない
  • 北米市場が飽和化しているため、アジアやアフリカでの成長へ期待