B2B/SaaSマーケ未経験者がリード数を1年間で10倍にした方法
私はSaaSベンチャー企業にてBtoBマーケティングチームマネージャーをしています。
一人目の専任のマーケターとして未経験のままから入社し、KPIである有効リード数を1年間で10倍にすることができました。
マーケティングチームの立ち上げ、インサイドセールスチームの構築から取り掛かり、オンライン・オフラインすべてのマーケチャネルの施策を立案・実行してきました。
今回の記事はどのようにリード数を10倍にしていったかを説明します。
どのようにリード数が増えていったか?
もちろん最初から順調に増えていったわけではありません。
最初の半年間程度は、マーケティング知識のキャッチアップやインサイドセールスチームの構築に時間がかかりました。
最初はランディングページとは?っていう感じでしたからね。。呆れますよね
マーケティングの専任者がいなかったことでマニュアルのようなものは当然なく、CRMの運用フローなども全く構築されませんでした。そのあたりを自動化しながら運用フローを組み立てていきました。
その後、ようやくちゃんとした「マーケティング」の業務が増えていきます。
ただ、最初はインバウンドが少なかったことで、アウトバウンドに頼らざるを得ませんでした。
・見込み客がいそうなイベントに参加し、リード獲得を試みたり
・自社イベントを開催してみたが、集客に失敗
・リスティングやFB広告を始めるが、CPAが高くなりすぎ、獲得件数も全く増えない
というようになかなかうまくいかない時期が続きました。
その後、ランディングページの改善を行ったり、0から始めたオウンドメディアが徐々に成長していくに従い、ゆっくりとですがリード数も増えていき、段々と軌道に乗るようになっていきました。
入社前のマーケティングの状況は?
入ったときの状況としては下記のようなものでした。
・リード件数が50くらいしかなくて、また半分くらいがアウトバウンドや個人の人脈に頼った紹介。
・リードの件数も質も圧倒的に低く、営業が商談にいっても有効商談にほぼならない。やたら忙しいのに受注ができないという状況が続いていた。
・マーケも専任者がいなく、リスティングやメディアの施策もやっていなかった。
・ホワイトペーパーも導入事例もほとんどなかった。
・LPも2年ほど前に作成したものがそのままに
・インサイドという概念がなく、セールスがマーケ、インサイド、フィールドすべてを担当していた
今からみるとだいぶ壊滅的な状況でしたね。
その後、1年間でリード数は月間の10倍である500ほどになりました。
具体的に行った施策
マーケティング施策をやっていなかったorやっていたが、全く「やりきれていなかった」ため、とにかく行動量を増やし、すべての施策を進めていきました。
具体的には下記のような施策を行いました。
・オウンドメディアの立ち上げ、外注ライターの採用・マネジメント、コンテンツ制作運用、SEO対策の指導
・オンライン広告の運用(リスティング広告、GDN、Facebok)
・タイアップ広告、媒体への広告掲載
・サイトリニューアル、LP制作、ABテストの実施
・交通系マス広告
・ホワイトペーパーの企画・制作
・展示会出展、セミナーの企画・集客・運営
・CRM・MAツールの運用
リード数を伸ばせた要因
1年間でリード数を劇的に伸ばすことができた要因としていくつかあげられます。
1、施策を高速で実行しきる、とにかくやりきる
やっぱり共通しているのが、アイデアより実行、がなによりも重要ということです。
バナー作ろう、ホワイトペーパー作ろう、導入事例作ろう、LP作ろう、記事書こう、adwords回しましょう
まぁこの辺はあたり前に定石と言われている施策ですよね。
だけど、この辺をガチで細分化してやろうとするとタスク量が膨大になります。
例えば、バナー制作ではラフ絵をつくって、デザイナーと調整して、外部のデザインナーを契約する場合はその進捗管理をする
この解決策は気合いしかないです。
とにかく、タスクの消化スピード、自分の作業スピードをめちゃくちゃあげる
外注化(できる限り知識のない人でもできる作業に落とし込んで、その分を外注化して、自分のしごとをへらす)
という感じで、自分の作業量を減らし、スピードを上げながらすべての施策を実行することを行いました。
マーケティングをやっていて思ったのが、施策やノウハウはネット上、本にあふれていますが、それをどうやって実行するのか?ということはほとんど語られていません。
僕自身、その実行方法・運用フローを構築し、高速で施策を回していたことで、成果を出せたのではと思います。
2,SEO,SEO,SEO
B2Bでは特にオウンドメディア(SEO)は大事だと思います。
to Cとは違い、youtubeやsns, インフルエンサーマーケ、などはやりにくいところがありますし、リスティング広告は単価の高騰が著しく、費用を増加しても、改善の伸びしろは多くはありません。
そのため、オウンドメディアはリード獲得、コンバージョン獲得という意味では非常に重要だと思います。
オウンドメディアは0から立ち上げ、半年ほどで10万PV、100コンバージョンを月間生むまで成長しました。
B2Bで10万PVはまぁまぁ多いほうだと思います。
これも実行フェーズの部分が大変で、下記のような部分に苦労しました。
こういう実行の部分って誰も教えてくれないし、どこにも書いていないんですよね(笑)
・外注ライターさんの管理を効率化する方法
・自分の時間をかけずに質の高い記事を大量に高速で制作する方法(1日2記事程度)
・ライティング方法をマニュアル標準化し、誰でも作れるようにする
これらも今では乗り越え、かなりうまく回るようになりました。
3,ランディングページが全て
HPのリニューアルを大規模に行い、CVRが3倍以上になりました。
HPはSEO,リスティング、その他キャンペーンの受け皿のため、すべての施策のCVRがあがりました。
4,広告媒体は10倍以上に
見込み客がいそうな媒体を片っ端からあたり、CPAが保てそうなものはすべて広告を出しました。その中でCPAが合わないものや効果が出ないものはとめていくようにしました。
その結果、あまり知られていないが、よい媒体がみつかったり、リード数が付与にしました。
例えば封筒への同封や他サイトへのバナー広告など、見込み客のタッチポイントから逆算し、あらゆる媒体に出稿していきました。
失敗したこと・あまり効果がなかったこと
多くの失敗したこと、これはあまり効果がなかったということがありました。
致命的で大きな失敗ということはしていないのですが、時間や労力を無駄にしたという細かいミスは多くありますね。
・ランディングページの小さなABテストの改善
・LPをノウハウないのに内製で作ってcvr全く上がらず失敗
・リスティング広告文の改善などに時間を使いすぎる。時間をかけてもCV数はせいぜい+120%程度にしかならない
・1ヶ月ほど準備時間がかかったキャンペーンからコンバージョンが0件(笑)
・イベントに参加して営業→商談に全くつながらず。
・サイト設計図やキーワードリストをつくらずにオウンドメディアを作成
大変だったこと
例えば、大企業ではマーケティングチームだけで数十名、予算も数億円とあるかもしれませんが、弊社の場合は私1名でした。
そのため、何をやるかという施策立案から実行までをすべて一人で行いました。
一番大変なことは、施策立案ではなく、その実行することですよね?
なによりも実行し切ること、実行にあたって発生する大量のタスクを消化すること、運用フローを構築するほうが施策立案やアイデアを出すより数倍大変ですし、時間もかかりました。
例えば、ホワイトペーパーをつくればよいということは誰しもが言っていて、その書き方を解説する記事はたくさんありますが、
肝心の実行方法を解説しているものってあまりないですよね?
社内でだれもホワイトペーパー作ったことがない!
担当者?俺一人!
という状況でした。
ホワイトペーパーだけでもこんな感じです。
・デザインはどういうものにする?誰に発注する?いくらで?
・原稿は誰がつくる?
・ホワイトペーパー作って何で集客?SEO?SEM?
・社内のレビュー体制は?
今では、運用フローを構築することができ、何も考えずともうまく回るようになったんで、苦労は全くないのですが、当時は0からこの辺を作り上げていくのに手間・時間がかかった記憶があります。
反省・今後の示唆
まぁこうしてみると、自分まだまだだなと感じます。
未経験だったこともあり、無駄な施策、効果の出ない施策や作業も多くやってしまいました。施策の優先度みたいなことを理解できておらず、また、仕事のスピードも遅かったかもしれません。
今年度は運用フローも構築されており、インサイドセールスチームもうまく回るようになったので、マーケに仕事を集中できます。
効果の出る施策が明確になってきたり、かなりやるべきことがクリアになってきた。そこにフルパワーを出せるのでもっともっと成長速度を加速できるはずだと思います。
ということで、去年以上のスピードで成長し、さらに10倍のリード数獲得を目指していきます。