Tinderが100万ユーザーを獲得するまで

Tinderとは

創業の2012年から2年間のうちに5000万人以上のユーザーを獲得し、現在の企業価値は3億ドル以上、20以上の国でつかわれている世界最大のデートアプリです。

 

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ショーン・ラッド 、ジョナサン・バディーン、ジャスティン・マティーン、ジョー・ムノス、ホイットニー・ウルフ 、ディネシュ・ムアジャニ 、クリス・ギルシンスキらによって創業されました。彼らのうち二人は南カルフォルニア大学の卒業生で、在学中から友人であった。ちなみに、
ショーン・ラッドは大学一年生のときに別のサービスをつくっていました。彼によると100万ユーザーを獲得するまで成長したようです。

 

Tinderは従来の出会い系サービスのイメージを一新した。

当時も多くの出会い系サービスがありましたが、いくつもの課題が有りました。

例えば、

・女性は多数の男性からの、時には気持ち悪いメッセージによってうんざりしている

・男性ユーザーはメッセージを送っても出会える確率がかなり低い

・女性は出会い系に関して怪しいものと感じていたため、使いたがらなかった。

Tinderは上記の問題を男女相互が関心をもってはじめてコミュニケーションが発生する仕組みをつくり、さらに出会い系っぽくないシンプルなUIによって上記の問題を解決しました。さらに従来にない写真をスワイプするという革新的なUXももっていました。(当初はスワイプはなくlike, dislikeのボタンを押す仕組みだったようです】

 

ユーザーの増加の様子

https://parantap.com/wp-content/uploads/parantap.com-tinder-mau-growth1.png

Tinderはプロダクトランチから1年も立たないうちに100万ユーザーを獲得し、30ヶ月で2400万アクティブユーザーを達成しました。

 

100万ユーザー獲得までのマーケティング戦略

1、まず創業者らの友人につかってもらったようです。

We texted literally 500 people. Immediately, 80% of the people we texted signed up. The next day, we grew 50%. And I thought, "Wow, that's shocking." When we were looking at the metrics and the engagement was shocking. We had to fact-check what we were seeing.

Sean Rad interview: Tinder CEO on Business Insider podcast - Business Insider

創業者のひとりのSean Rad (以下Rad)によるとまず友人500人にメッセージを送り、そのうち80%がサービス登録しました。サービス公開当初から友人グループでは好評で、ユーザー獲得も順調だったことがわかります。

2,大学生にターゲットをしぼったマーケティングを開始します。

創業メンバーの友人が南カルフォルニア大学 (USC) で誕生日パーティーを開く予定でした。Tinderはそのパーティーへのバスや費用を負担する代わりに、参加者にはTinderのダウンロードをさせました。そのパーティーに参加した約400人のUSCの学生にTinderへ登録させることに成功しました。

 

3,この一件で大学生に関するマーケティングの有効性を確認した創業者らは他の大学でも同様のことを行いました。

Immediately after that, every afternoon the whole team would leave the office, get in a car, and we would drive by every fraternity and sorority in Los Angeles, then San Diego, then Orange County, and every school we could cover. Every time we would go to sororities and fraternities and talk about Tinder, we would that night see 100 sign-ups
http://www.businessinsider.com/how-tinder-went-viral-sean-rad-reveals-app-marketing-tricks-in-podcast-2017-2

In an interview with Bloomberg, Tinder’s technical co-founder Joe Munoz explained:

(Whitney Wolfe) would go to chapters of her sorority, do her presentation, and have all the girls at the meetings install the app. Then she’d go to the corresponding brother fraternity—they’d open the app and see all these cute girls they knew.

当時TinderのCMOだったWhitney Wolfeが各大学のフラタニティへ行き、女子生徒にプレゼンを行いTInderを使ってもらいました。毎回およそ100の新規ユーザー登録があり、当初5000ユーザーではじまったこの旅ですが、終わる頃には15000ユーザー登録まで到達していたようです。

( フラタニティでのユーザー獲得で大きな役割を果たした当時CMOのWhitney Wolfe)

https://referralcandy.wpengine.com/wp-content/uploads/2015/08/Tinder-Whitney-Wolfe-Vaunte-word-of-mouth-ReferralCandy-600x400.jpg

 

大学生のなかでも特に「Dating Appを必要としない女子大生」をターゲットとしていました。

You need to identify social influencers in small areas, see who the influencers are, and target them…That’s how we spread throughout college campuses and other social scenes.” – Whitney Wolfe 

「Dating Appを必要としない女子大生」とは容姿端麗で男から引く手あまたな女性です。そのためDating Appをつかわなくても出会いに困らない、大学におけるカーストの最上位に君臨する層です。彼らが使うことによって従来型の出会い系のイメージを崩し、多くのユーザーを登録したいと思わせることに成功しました。

ただやはり「Dating Appを必要としない女子大生」にわざわざDating appをつかわせることもかなり難しいはずなのでそれはProduct自体の良さとWhitney Wolfe自身のプレゼンテーション能力のおかげも大きいと思われます。

 

さらに、カフェで「Tinderっていうアプリ知ってる」と大声で会話することでサービスを宣伝したり、道端の人を捕まえてTinderをつかってもらったりと、結構泥臭いこともやっていたようです。笑

 

4,結局、1月はじめには2万ユーザーであったのが、1月おわりには50万ユーザーまで増加しました。そして驚くべきことにこれはすべて自然流入によるユーザー登録であったようです。

 

まとめ

Facebookと同様に各大学での市場占有率を高めながら、規模を拡大していっています。

またターゲットに関しても特に重要なユーザー( Dating Appを必要としないかわいい女子大生)に集中させ、爆発的に成長しています。

この点に関してはLinkedinとかぶっているところも大きいと思います。

この後、ターゲットやマーケティング戦略はかわっていますがTinderの初期マーケティングを生かせる場面は多くあると思います。